PARPおよびDNA損傷応答(DDR)経路の創薬研究

DNA損傷応答(DDR)は、細胞内のDNA損傷に対してDNA修復、細胞周期停止、細胞老化、アポトーシスなどを引き起こす正常な細胞機能です。DDR経路に異常があると、ゲノム不安定性、発がん、細胞の異常増殖を招く可能性があります。DDR経路に関与する多くのキナーゼ、例えばWEE1、DNA-PK、ATM/ATRなどは、がん治療の薬剤標的として研究されています。また、17種類から成るポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)ファミリーは、遺伝子転写やDNA修復など、さまざまな細胞プロセスを仲介しており、多くのヒト疾患に関与していることが知られています。

プロメガは、PARP/DDR経路に関連する創薬研究を支援するため、さまざまなアッセイおよび技術を提供しています。これには、経路構成要素への化合物の結合を測定するターゲットエンゲージメントアッセイ、PARPおよびキナーゼ活性アッセイ、細胞ヘルスアッセイなどが含まれます。

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Start a ConversationDDRパスウェイをターゲットとするNanoBRET® TE Assays
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DDRの機構には多数のシグナル伝達ネットワークが関与しています。これらの経路は、センサー(例:PARP)、メディエーター(例:DNA-PK、ATM、ATR)、およびシグナル伝達のトランスデューサーやエフェクター(例:キナーゼ)によって構成されています。PARPファミリーのタンパク質は、ポリADPリボシル化かモノADPリボシル化に基づいて2つのグループに分類されます。
Numerous signaling networks are associated with DDR mechanisms
The PARP family of proteins is classified in two groups based on poly vs. mono ADP ribosylation

ターゲットエンゲージメント

NanoBRET® technology は、小分子化合物とその標的タンパク質との相互作用を生細胞内で測定するための、高感度かつ高特異性な手法を提供します。

NanoBRET® ターゲットエンゲージメントで以下のことが可能です。

  • 生細胞内での化合物の親和性(タンパク質への結合の強さ)および標的タンパク質の占有率(どれだけの量の化合物が結合しているか)を定量化
  • 生理的条件下で、化合物が標的タンパク質にどのくらいの時間結合しているか(レジデンスタイム)を評価
  • シンプルなマルチウェルアッセイを研究のスループットニーズに合わせてスケーリング
  • 誤差が少なく再現性の高い高品質なデータの取得
  • すぐに使用可能なアッセイの利用で迅速に研究をスタート
nanobret target engagement assay principle

NanoBRET® ターゲットエンゲージメントアッセイの原理 試験化合物が結合すると、標的-NanoLuc®融合タンパク質と、細胞透過性の蛍光NanoBRET®トレーサーとの間で発生するNanoBRET®シグナルが減少します。これは、完全な形の生細胞内で観察されます。


生細胞内PARPのターゲットエンゲージメント

NanoBRET® TE PARP Assay は、複数のPARPに対する阻害剤の選択性および親和性を評価するために使用可能です。細胞内レジデンスタイム(結合持続時間)はシンプルなフォーマットで評価可能であり、トレーサー添加の前に修飾されていない化合物を添加します。その後、化合物を洗い流してからトレーサーを添加し、生細胞内でレジデンスタイムを定量化します。

PARP1 阻害剤は他のPARPsに対し、非特異的に作用します。

FDA承認済みおよび臨床開発中のPARP阻害剤は、生細胞内で多様なモノ-ADPリボシル化型PARPに結合します。

PARP1 inhibitors are promiscuous against lesser studied PARPs.
PARP1 inhibitors are promiscuous against lesser studied PARPs.

その他のDDRタンパク質のターゲットエンゲージメント

プロメガのターゲットエンゲージメントアッセイは、PARG、ポリメラーゼθ(polQ)、PRMT5などの他の主要なDDRタンパク質に対する低分子化合物の結合親和性およびレジデンスタイムについて、生細胞内での相互作用をより深く理解するための情報を提供します。
PARPとPARG
Polymerase theta (PolQ)
PRMT5

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学術ポスター:NanoBRET®ターゲットエンゲージメントアッセイを用いた生細胞におけるPARPおよびPARG阻害剤の選択性の解明

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学術ポスター:生細胞内のフルレングスPolymerase Thetaにおけるドメイン選択性を調べるためのNanoBRET®ターゲットエンゲージメントアッセイ

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学術ポスター:競合的および非競合的阻害様式を調べるための生細胞PRMT5 NanoBRET®ターゲットエンゲージメントアッセイ

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NAD/NADH-Glo™ Assayを使用したPARP活性の測定

DNA損傷が生じると、PARP活性が上昇します。モノマーの NAD(+) は消費され、損傷部位にポリADPリボシル化鎖として酵素的に重合されるか、標的基質にモノADPリボースとして付加されます。

発光アッセイである NAD/NADH-Glo™ Assay NAD(+)およびNADHを検出し、それらの比率を細胞溶解液などの生物学的サンプル中で測定するホモジニアスアッセイです。このシンプルな「添加して読み取る」形式は、ハイスループットスクリーニングへの応用も容易です。PARPやその他の酵素の活性測定用には、改良されたプロトコルもご要望に応じてご提供可能です。

Measure PARP Activity Using the NAD/ NADH-Glo™ Assay
Measure PARP Activity Using the NAD/ NADH-Glo™ Assay

PARP活性測定 PARP1、375ngのヌクレオソーム、および20μMのNADを含む反応を384ウェルプレートで行い測定されました。1時間のインキュベーション後、改変NAD/NADH Glo™検出試薬を同量加えてNADレベルを解析しました。20分後に発光量を測定しました。パネルA:PARP1酵素の滴定(5μl容量で実施)。パネルB:PARP1の阻害。


PARP活性測定のためのAMP-Glo™ Assay

AMP-Glo™ Assay は、AMPを産生するあらゆる生化学反応から発光シグナルを生成するホモジニアスアッセイです。このアッセイは、cAMP特異的ホスホジエステラーゼ、アミノアシルtRNA合成酵素、DNAリガーゼ、ユビキチンリガーゼ、またはAMPによって制御される酵素など、幅広い酵素の活性測定に使用できます。

このアッセイを使用してポリADPリボシル化をモニタリングした論文をご覧ください: Mondal, S., Hsiao, K. and Goueli, S.A. (2017) Utility of Adenosine Monophosphate Detection System for Monitoring the Activities of Diverse Enzyme Reactions. ASSAY and Drug Development Technologies 15, 300–341.

AMP-Glo™ Assay principle.
AMP-Glo™ Assay to Measure PARP Activity

改変AMP-Glo™ assayを用いたADPリボシル化の測定 パネルA:ヌクレオソーム上でのPARP1によるポリADPリボシル化。PARP1活性を含む反応では、50μg/mlのヌクレオソームおよび20μMのNAD++を使用し、異なる量のPARP1をAMP-Glo™システムで解析 パネルB:DPQによるPARP1阻害の検出

DDRにおけるキナーゼ

ADP-Glo™ Assayによるキナーゼ選択制プロファイリング

ADP-Glo™ Kinase Assay はあらゆる種類のキナーゼ研究に対応したユニバーサルな in vitro 生化学アッセイです。このアッセイでは、キナーゼ反応により生成されたADPを測定します。ADPはATPに変換され、それにより安定した発光シグナルが生成されます。

ADP-Glo™ Assayの応用例

  • ハイスループットスクリーニング
  • 作用機序研究
  • キナーゼ阻害剤プロファイリング

ADP-Glo™Assay用に最適化されたKinase Enzyme Systems を使用することで、キナーゼ阻害剤のスクリーニングやプロファイリングを簡単に行うことができます。以下のようなDNA損傷応答に関与するキナーゼが利用可能です。

Applications of the ADP-Glo™ Assay Platform

Live-Cell Target Engagement

NanoBRET® Target Engagement (TE) Kinase Assays は、生細胞内でフルレングスのキナーゼに対する化合物の結合を定量化できます。このアッセイは340種類以上のキナーゼに対応しており、それぞれのキナーゼに対して個別のアプリケーションノートが用意されています。これには、DDR(DNA損傷応答)に関与する多くのキナーゼ(例:CHK1、CHK2、CDK2/Cyclin A1、CDK2/Cyclin E1、CDK6/Cyclin D、PKMYT1、PLKファミリー、CK2 αアイソフォーム、MAPKAPK2(MK2)、MARK3、Wee1)が含まれ、各キナーゼごとのアプリケーションノートが利用可能です。利用可能なキナーゼのリスト

Adavosertib
Selective: WEE1
Dual inhibitor
PD 407824 (CHK1)

生細胞におけるDDRキナーゼ阻害剤の選択性とセルフリー解析との比較


細胞でのトータルまたはリン酸化ターゲットの検出

Lumit® Immunoassay Cellular Systemsを用いたDNA損傷応答におけるシグナル伝達ノードの研究

Lumit® Immunoassay Cellular System は、細胞溶解液中の標的アナライトを直接測定する、洗浄不要の発光イムノアッセイです。このアッセイは、DNA損傷応答に関与するシグナル伝達ノードの検出に対応したカスタマイズが可能で、培地の除去や溶解液の移し替えを必要としないシンプルなワークフローで実施できます。標識抗体をサンプルに添加し、検出試薬を加えて発光シグナルを測定するだけで、すべて1枚のプレート内で完結します。

データ掲載資料:Detection of DNA Damage Response Pathway Marker Activation Using Lumit Immunoassays

lumit immunoassay cellular system phosphoprotein detection
19238ma-a
19239ma-b
19240ma-c
19241ma-d

DNA損傷応答経路マーカー Lumit® Immunoassaysは、細胞内CHK1とH2AXのリン酸化と阻害を示します。 パネルAおよびC Lumit® Immunoassay Cellular System を使用したA549細胞におけるエトポシド誘発H2AXリン酸化の検出。このリン酸化はATMキナーゼ阻害剤によって抑制されますが、ATR阻害剤では抑制されません。詳細は H2AX Application Note をご確認ください。パネルBおよびD Lumit® Immunoassay Cellular System を使用したSW620細胞におけるヒドロキシウレア誘導CHK1リン酸化の検出。CHK1のリン酸化はATR阻害により低下しますが、ATM阻害では影響を受けません。詳細は CHK1 Application Note をご確認ください。

細胞生存性試験

細胞生存性と細胞毒性の測定

プロメガは、細胞生存率を測定するための様々なアッセイを提供しています。これらのアッセイは自動化に適しており、リアルタイムおよびエンドポイントでの測定が可能、シンプルな「添加・混合・測定」フォーマットにより、二次スクリーニングやリードの最適化に最適です。薬剤候補による3D培養を含む生細胞の健全性への影響や細胞毒性といった影響を測定できます。

CellTiter Glo® 2.0 Cell Viability Assay は、非常に高感度で広い直線性を持つアッセイです。ハイスループットな一次スクリーニング用途のために、384ウェルや1,536ウェルプレートにもスケーラブルに対応可能です。

これらの細胞ヘルス関連アッセイがDDRにどのように応用されているかは以下の文献をご覧ください。

参考論文:

プロファイリングサービス

弊社のカスタムアッセイサービス は、小分子や大分子化合物の創薬および開発ワークフローの加速に貢献します。この包括的なサービスは高感度・ハイスループット・生物学的に関連性の高い結果を得るために設計されたプロメガ独自の技術に基づいて構築されています。詳しくは Tailored R&D Solutions team までお問合せください。

PARP化合物選択性プロファイリングサービス 

  • NanoBRET® TE assaysを用いた生細胞における12種類のPARPファミリーに対する選択性プロファイリング
  • レシオメトリックなBRETデータにより、再現性の高い、誤差率の低い結果が得られます。

キナーゼの細胞内における化合物選択性プロファイリングサービス

  • NanoBRET® TE assays を用いた生細胞における240種類のキナーゼに対する選択性プロファイリング
  • レシオメトリックなBRETデータにより、再現性の高い、誤差率の低い結果が得られます。