ホスファチジルイノシトール(PI)およびそのリン酸化型はホスホイノシチド と総称され、シグナル伝達分子として重要なセカンドメッセンジャーであり、細胞膜のリモデリングにも深く関与しています。これらはホスファチジルイノシトール脂質キナーゼ(PIKs)ファミリーによりリン酸化されます。哺乳動物では19種類PIKアイソフォームが同定されています。また、イノシトール環の3位,4位,5位の水酸基の選択的なリン酸化能により大きく3つのファミリー(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ;PI3K、ホスファチジルイノシトール4-キナーゼ;PI4K、ホスファチジルイノシトールリン酸キナーゼ;PIP5K,PIP4K)に分類されています。
プロメガの脂質キナーゼ酵素、基質および検出システムは、PIK反応およびADP-Glo™ Kinase Assay(発光ADP検出プラットフォーム)を利用したキナーゼ活性測定用の完全な試薬セットを提供します。試薬にはクラスIのPI3K(精製したヒト組み換えタンパク質)、最適化された反応バッファー、すぐに使用可能な脂質キナーゼ基質が含まれます。PI3K-Glo™ Class I Profiling KitにはPI3K(α,β,γおよびδ;各5μg)、PIP2:3PS Lipid Kinase Substrate (0.25mg) および ADP-Glo™ Kinase Assay(1,000回分)などで構成され、酵素は単品でご購入いただけます。基質となる脂質は、ホスファチジルイノシトール(PI)またはホスホイノシトール-4,5-ビスホスフェイト(PIP2)がキャリア脂質としてのホスファチジルセリン(PS)と1:3の比率で混和されたミクスチャーを含む凍結した単層の小胞として供給されます。PIP2とPSが1:3で混和された基質はクラスIのPI3Kで使用するために最適化されています。またPIとPSが1:3で混ざった基質は主要なファミリーメンバーに認識されることが示されており、ユニバーサルなPI脂質キナーゼ基質として供給されます。
脂質キナーゼアッセイの原理を以下の図に示します。脂質キナーゼ反応は、脂質基質(PI:3PSまたはPIP2:3PS)とリコンビナント酵素およびATPをインキュベーションすることにより実施され、キナーゼ活性はADP-Glo™ Kinase Assayを用いて測定されます。ADP-Glo™ Kinase Assayは2ステップで完了します。キナーゼ反応後に脂質キナーゼ反応を停止させ、残存するATPを枯渇させADPのみにするためにATP-depletion reagentを添加します。次にADPからATPへの変換と、新しく生成したATPを光に変換するためのルシフェラーゼ/ルシフェリン反応を同時に行うdetection reagentを添加します。
- クラスI PI3Kのための完全なソリューション:
-高い比活性を有する精製ヒト組み換え酵素
-Ready-to-useな脂質基質(PI or PIP2)
-ユニバーサルな反応バッファー組成
-高感度なアッセイシステム
- 優れた選択性:基質の変換率(%)が低くでも高いシグナル/バックグラウンド比。
- 信頼の結果:広いダイナミックレンジ、低バックグラウンド、優れた感度により明瞭なデータが得られます。
- 時間の節約:シンプルな“添加&測定”フォーマットによるホモジニアスアッセイ。
- 偽陽性を低減:特殊な組成および発光シグナルにより偽陽性率が低減。
- コストセーブ:1,536-ウェルフォーマットに変更できウェルあたりのコストを低減。
【カルタヘナ】対象品(V1690, V1721, V1731, V1741, V1751, V1761, V1771)
- Cantley, L.C. (2002) The phosphoinositide 3-kinase pathway. Science 296, 1655–7.
- Markman, B. et al. (2010) Status of PI3K inhibition and biomarker development in cancer therapeutics. Annals Oncology 21, 683–91.
- Brown, J.R. and Auger, K.R. (2011) Phylogenomics of phosphoinositide lipid kinases: perspectives on the evolution of second messenger signaling and drug discovery. BMC Evolutionary Biology 11, 1–34.
- Hawkins, P.T. et al. (2006) Signalling through Class I PI3Ks in mammalian cells. Biochem. Soc. Trans. 14, 647–62.