ATP アッセイ
ATPアッセイとは何ですか?
ATP はすべての生細胞のエネルギー源であり、多くの重要な生化学反応に関与しています。細胞死によりATPの合成が停止され、既存の ATP プールは急速に分解されます。そのため、ATP は生細胞のマーカーとして広く受け入れられています。ATP 濃度が高いほど生細胞の数が多いことを示しています。
バクテリアを含むすべての生細胞は、ATP を検出することで生存率を測定することができます。比色分析、蛍光分析、生物発光分析などいくつかの ATP 測定法がありますが、多くの場合 高感度、シンプルでホモジニアスなプロトコル、迅速操作などの利点により、細胞生存率の測定に生物発光ATPアッセイが選ばれています。
生物発光ATPアッセイはどのように機能しますか?
生物発光ATPアッセイでは、ホタルルシフェラーゼ酵素による発光反応を利用して生細胞に由来するATP を測定します。試薬を添加すると生細胞が溶解されてATP が放出されます。さらにホタルルシフェラーゼ 酵素と基質が同時に供給されて2段階の反応を触媒します。
最初の反応ステップでは、ATPによりルシフェリンが活性化され、ルシフェリル-アデニル酸とピロリン酸を生成します。2番目のステップでは、ルシフェリル-アデニル酸と酸素分子が反応して電子励起状態のオキシルシフェリンとCO2 が生成されます。その後、励起状態のオキシルシフェリンは基底状態に戻り、緑色から黄色の発光(550〜570 nm)が放出されます。発光シグナルの強度は、ルミノメーターを使用して検出されます。
ATP がルシフェラーゼ反応の他の成分よりも限られた量である場合、発光は ATP 濃度に比例します。より高い発光シグナルは、より高いATPレベルであることを示します。
発光とATP濃度の直線的な相関性
Data generated using the Water-Glo™ System.
初期のATPアッセイは数秒しか持続しない “フラッシュ” タイプの光が放出されていましたが、このような短いシグナルを検出するにはシングルチューブまたはマルチウェルプレートリーダーに自動分注機能を備える必要がありました。
プロメガでは実験ワークフローを改善しアッセイ結果のばらつきを低減するために、細胞溶解に使用される強力な界面活性剤の影響を受けず、しかも ATPase 阻害剤と共存できる安定性の高い組換えルシフェラーゼ(Ultra-Glo™rLuciferase)を開発しました。安定性と柔軟性が強化された Ultra-Glo™ rLuciferase により、従来の “フラッシュ” タイプのアッセイと比較して、最大数時間まで発光シグナルを延長できる “グロー” タイプの AT Pアッセイを開発することができました。
グロータイプの ATPアッセイは、研究者により柔軟なワークフローを提供し、非常に多くのサンプルを評価できるようにすると同時に自動分注機能も不要にしました。
ATPアッセイの選び方
ATPアッセイを選択するための最初のステップは、それをどのような目的に使用するかを理解することです。ATPアッセイには幅広い用途があります。研究室では、生細胞数を推定するために細胞培養実験で一般的に使用されています。これにより細胞増殖に関する実験結果を得たり、薬物やウイルスの毒性を評価したりすることができます。また、ATPアッセイは、基本的な生物医学研究以外に、水サンプル、食品、化粧品中の細菌汚染の程度を判断するためにも使用されています。
使用目的以外にもさまざまな要素がATPアッセイの選択に影響します。例えば、サンプルの性質、サンプル数、感度、および自動液体分注装置と検出機器の可用性などが含まれます。さらに、ハイスループットスクリーニングを実施したり、3D細胞培養を使用したりする研究者は、これらのアプリケーション用にテストおよび最適化されたアッセイを選択する必要があります。
利用可能な製品の種類が多いため、ATPアッセイの選択は難しい場合があります。ATPアッセイの幅広いアプリケーションをサポートするために、アプリケーションごとに最適化された特別な試薬組成と推奨プロトコルを有する発光ATPアッセイのポートフォリオを揃えました。以下の表を参照して、アプリケーションに最適なアッセイをお選びください。
実験目的に合った最適なアッセイが知りたい! そんな方は テクニカルサービス部 までお問合せください。
| 製品名 | サンプタイプ | 説明 | 細胞溶解力 | シグナルの半減期 | 単一試薬(Ready-to-use) | HTS 適応性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CellTiter-Glo® 2.0 Cell Viability Assay | 単層培養細胞/浮遊細胞 | ハイスループットアプリケーションまたは日常敵な使用において最も便利なATPアッセイ。液体の単一試薬として提供され、室温での保存安定性に最適化されているため、簡便なワークフローを実装可能。 | 強い | >3 時間 | ||
| CellTiter-Glo® Luminescent Cell Viability Assay | 単層培養細胞/浮遊細胞 | HTS、ロットリリーステスト、および一般的な研究アプリケーション向けの初代 ゴールドスタンダードアッセイ。凍結乾燥した基質およびバッファー成分として提供され、使用直前に検出試薬として調製 | 強い | >5 時間 | ||
| CellTiter-Glo® 3D Cell Viability Assay | 3D 培養細胞 | 界面活性剤濃度の高い単一試薬として提供され、3D微小組織での効果的な細胞膜の溶解に特別に最適化 | 非常に強い | >3 時間 | ||
| RealTime-Glo™ Extracellular ATP Assay | 単層培養細胞/浮遊細胞/3D 培養細胞 | 死細胞から放出される ATPのリアルタイム検出(免疫原性細胞死など) | 非細胞溶解 | 最長 24 時間まで連続的に発光をモニタリング | ||
| Viral ToxGlo™ Assay | ウイルス感染単層培養細胞/浮遊細胞 | in vitroで宿主細胞に対するウイルス誘導性細胞変性効果を決定するために最適化されたプロトコル。 | 強い | >5 時間 | ||
| BacTiter-Glo™ Microbial Cell Viability Assay | 培地中の細菌細胞 | 生菌数を測定。溶解が困難な細菌サンプル用に設計。単一サンプル分析またはハイスループットアプリケーションに使用可能。 | 非常に強い | >30 分間 | ||
| Water-Glo™ Microbial Water Testing Kit | 水サンプル | 廃水、海水、淡水などの複雑な水性サンプル中のバイオマス量を測定。 | 非常に強い(細胞溶解と検出を分けて操作) | 3 分間 | ||
| ENLITEN® ATP Assay System | 食品、飲料、木材パルプ、化粧品など | “フラッシュ” タイプの発光ケミストリーを使用して、細胞、細菌、酵母、真菌、その他の微生物など様々なサンプルタイプに合わせて最適化させてATPを検出。 | 細胞溶解剤は含まれな | 数秒間 |
ATPアッセイをどのように使用しますか?
3D培養細胞の生存率の決定
オリジナルの CellTiter-Glo® Luminescent Cell Viability Assay が3D細胞培養で使用するためにどのように再調製されたかをご覧ください。
ウイルス誘発性細胞毒性の決定
ViralTox-Glo™ Assay が組織培養の感染力、既知の抗ウイルス化合物のオンターゲットおよびオフターゲットの効力を決定し、新しい抗ウイルス化合物のハイスループットスクリーニングを容易にする方法をご紹介いたします。